近所の犬の鳴き声が毎日のように続くと、「家にいるのに落ち着けない」「誰に相談すればよいのだろう」と、心身ともにつらくなりますよね。
私も数年前、近所の犬の鳴き声に悩んだ経験があります。ご近所との関係を悪くしたくないという思いもあり、どのように対応すればよいのか分からず、解決まで遠回りをしました。
この記事では、私の体験をもとに、鳴き声の記録方法、飼い主への伝え方、第三者や行政への相談など、トラブルをできるだけ避けながら進める5つの対処法をご紹介します。
直接伝えることに不安がある方も、自分の安全を優先しながら、無理のない方法を一緒に考えていきましょう。
近所の犬の鳴き声がうるさいときの対処法5つ
犬の鳴き声に悩んでいると、すぐにでも飼い主へ苦情を伝えたくなるかもしれません。しかし、感情的な状態で行動すると、ご近所との関係が悪化するおそれがあります。
まずは状況を記録し、その後、飼い主への伝え方や第三者への相談を順番に考えていきましょう。相手に直接伝えることが怖い場合は、無理をする必要はありません。自分の安全を優先しながら、できる方法を選ぶことが大切です。
鳴いている日時と長さを記録する
最初に行いたいのは、犬が鳴いている状況を記録することです。「いつも鳴いている」と伝えるだけでは、飼い主や相談窓口に状況を理解してもらいにくい場合があります。
次のような内容を、ノートやスマートフォンに残しておきましょう。
- 犬が鳴いていた日付
- 鳴き始めた時刻と静かになった時刻
- 鳴き声が続いた時間
- 毎日なのか、特定の曜日だけなのか
- 窓を閉めても聞こえるか
- 睡眠や家事、仕事などにどのような影響があったか
可能であれば、自宅の中から鳴き声を録音しておく方法もあります。ただし、相手の敷地へ入ったり、家の中を撮影したりすることは避けましょう。
無理のない範囲で数日分でも記録しておくと、鳴く時間帯や傾向が分かり、飼い主や行政へ相談するときにも説明しやすくなります。
飼い主へ穏やかに状況を伝える
飼い主が留守にしている間だけ犬が鳴いている場合、本人はその状況に気づいていないことがあります。私の近所の飼い主も、留守中に犬が鳴いていることは、うすうす感じていたようでした。
顔見知りで、落ち着いて話ができそうな相手であれば、記録した日時をもとに状況を伝えてみましょう。犬が鳴いている最中や、こちらが感情的になっているときは避け、日中の穏やかな時間帯を選びます。
例えば、次のように伝えると角が立ちにくくなります。
「突然すみません。○曜日の午前○時から午後○時ごろまで、ワンちゃんの鳴き声が続いていて、家の中にいても聞こえるため少し困っています。お留守中のことなので、ご存じないかもしれないと思い、お伝えしました」
「うるさい」「しつけができていない」と決めつけるのではなく、いつ、どのくらい鳴いていて、自分の生活にどのような影響があるのかを事実として伝えることが大切です。
最初から「警察へ通報します」などと強い言葉を使うと、相手も身構えてしまいます。まずは状況を知ってもらい、改善できる方法がないか考えてもらう姿勢で伝えましょう。
ただし、相手の人柄が分からない場合や、過去にトラブルがあった場合、直接話すことに恐怖を感じる場合は、無理に訪問する必要はありません。その場合は、次に紹介する第三者への相談へ進みましょう。
自治会・管理会社など第三者へ相談する
飼い主へ直接伝えることが難しい場合は、自分だけで抱え込まず、第三者へ相談しましょう。
集合住宅なら管理会社や大家さん、一戸建ての地域なら自治会の班長さんや、地域事情に詳しい信頼できる方が相談先になります。第三者から穏やかに伝えてもらうことで、飼い主も落ち着いて受け止めやすくなる場合があります。
相談するときは、次の内容を簡潔に伝えましょう。
- 犬が鳴いている曜日と時間帯
- どのくらいの時間続いているか
- いつ頃から困っているか
- 窓を閉めても聞こえるなど、生活への影響
- 飼い主へ直接伝えることが難しい理由
- どのような対応を希望しているか
単に「犬がうるさいので注意してください」と伝えるよりも、記録を見せながら状況を説明するほうが理解してもらいやすくなります。
第三者に相談する際は、相談者の名前を伏せてもらえるか確認しておくと安心です。ただし、周囲の状況から誰が相談したのか推測される可能性もあるため、その点も考えたうえで依頼しましょう。
自治体や動物愛護センターへ相談する
第三者へ相談しても改善しない場合は、地域の行政窓口へ相談します。自治体によって窓口の名称は異なり、保健所、動物愛護センター、生活衛生課、環境担当課などが対応しています。
まずは、お住まいの市区町村の公式サイトで「犬の鳴き声 相談」と検索するか、市役所の代表番号へ問い合わせてみましょう。
相談するときは、次の内容を伝えます。
- 犬を飼っている家の場所
- 鳴き声が続く曜日や時間帯
- いつ頃から続いているか
- 鳴き声による生活への影響
- 飼い主や自治会などへ相談した経緯
- 記録や録音があること
自治体によっては、職員が状況を確認したり、飼い主へ飼い方の改善をお願いしたりする場合があります。ただし、相談すれば必ずすぐに鳴き声が止まるとは限りません。また、匿名で対応してもらえるかどうかも自治体によって異なるため、最初に確認しておきましょう。
保健所などへ相談する前に準備したい記録と、私が記録を残さず相談してしまった体験は、次の記事で詳しくまとめています。
犬の鳴き声を保健所へ相談する前に|記録したい5項目と私の失敗
改善しない場合は専門の相談窓口を利用する
飼い主へのお願いや第三者・行政への相談を重ねても改善せず、生活への影響が続く場合は、警察の相談窓口や法律の専門家へ相談する方法があります。
犬の鳴き声だけで、すぐに警察が解決してくれるとは限りません。しかし、深夜や早朝の鳴き声が長期間続いている場合や、飼い主から威圧的な言動を受けた場合などは、最寄りの警察署または警察相談専用電話「#9110」へ相談できます。
相手から脅されている、身の危険を感じるなど、今すぐ警察官に来てもらう必要がある場合は110番へ連絡してください。
相談しても改善せず、睡眠不足や体調不良などの被害が続いている場合は、次のような相談先もあります。
- 市区町村が実施している法律相談
- 法テラスの相談窓口
- 弁護士会の法律相談
- 騒音や近隣問題を扱う弁護士
相談の際には、これまで記録した日時や録音、行政などへ相談した経緯を整理して持参しましょう。体調を崩している場合は、無理をせず医療機関へ相談し、受診の記録も残しておきます。
また、困っていても、相手の家の中を撮影したり、個人が特定できる内容をSNSへ投稿したりすることは避けましょう。問題を大きくしないためにも、自分だけで判断せず、専門家の助言を受けながら慎重に進めることが大切です。
私が近所の犬の鳴き声に悩んだ体験談
ここからは、私が実際に近所の犬の鳴き声に悩み、解決するまでの体験をお話しします。
当時の私は冷静に対応する余裕がなく、記録を残さないまま保健所へ相談するなど、かなり遠回りをしました。同じように悩んでいる方が、少しでも早く解決方法を見つけるための参考になれば幸いです。
平日は約8時間も鳴き続けていた
鳴き声の主は、わが家の斜め後ろに住む家で飼われていた犬でした。普段のお付き合いはなく、どのような方が住んでいるのか、何となく知っている程度の関係でした。
ある日から、飼い主が朝仕事へ出かけ、夕方に帰宅するまで、犬が甲高い声で鳴き続けるようになりました。途中で静かになることはほとんどなく、平日は約8時間続く日もありました。
日中に自宅で過ごすことが多かった私にとって、毎日続く鳴き声はとてもつらいものでした。暑い日にも窓を開けられず、体調が悪い日にもゆっくり休めません。友人を家へ招くこともためらうようになりました。
夫へ相談しても、飼い主が在宅している土日には犬が鳴かなかったため、つらさを分かってもらえませんでした。「気にしすぎではないか」と思われているように感じ、次第に誰にも理解してもらえないという孤独も抱えるようになりました。
今振り返ると、私はかなり精神的に追い詰められていたと思います。犬の鳴き声は音の大きさだけでなく、「また今日も始まるのではないか」という不安まで生み、家にいても落ち着けない状態になっていました。
保健所や自治会へ相談しても解決しなかった
周囲にも鳴き声を気にしている方がいるのではないかと思いました。しかし、犬を飼っている家の前後左右では、平日の日中に仕事へ出ている方が多く、長時間の鳴き声を聞いていたのは、ほとんど私だけだったようです。
誰にもつらさを分かってもらえない状態が続き、我慢の限界を感じた私は、保健所へ電話をしました。かなり感情的になっており、「飼い主へ注意してほしい」とお願いすることしかできませんでした。
後日、職員の方が状況を確認しに来てくださいました。ところが、その時間はちょうど飼い主が帰宅する頃で、犬は静かになっていました。そのため、長時間鳴き続けている状況を確認してもらうことができませんでした。
当時の私は、鳴いた日や時間、継続時間などを記録していませんでした。つらい気持ちを訴えることに精いっぱいで、具体的な状況を冷静に説明できていなかったのだと思います。
その後、自治会の班長さんへ相談し、定例会で取り上げてもらうようお願いしました。しかし、回覧板の議事録に短く記載されただけで、飼い主への働きかけにはつながりませんでした。自治会からは、個人間の問題なので、これ以上の対応は難しいという説明を受けました。
相談しても状況が変わらず、私はさらに落ち込んでしまいました。しかし今振り返ると、相談先にきちんと状況を理解してもらうためにも、日時や鳴き声の長さなど、客観的な記録を準備しておくことが必要だったと感じています。
地域の方の仲介で鳴き声が減った
保健所や自治会へ相談しても改善せず、どうすればよいのか分からなくなっていた頃、同じ地域に住む方が助け舟を出してくださいました。
その方は長く自治会活動に関わっており、私のことも犬の飼い主のことも知っていました。事情を話すと、飼い主を責めるのではなく、「留守中の犬の鳴き声で困っている家がある」と穏やかに伝えてくださったのです。
飼い主も、留守にしている間に犬が鳴いていることには、うすうす気づいていたようでした。当時、犬は庭につながれて留守番をしていたため、不安や寂しさから鳴き続けていたのかもしれません。
話をしてもらった後、犬の留守番場所が庭から室内へ変わりました。それ以降は、ときどき鳴き声が聞こえる程度になり、長時間悩まされることはなくなりました。
直接話したら関係が悪くなるのではないかと不安だった私にとって、双方を知る方が間に入ってくださったことは、本当にありがたいことでした。同時に、普段からのご近所付き合いや、地域に相談できる人がいることの大切さも実感しました。
私は解決までかなり遠回りをしましたが、この経験から、状況を記録することと、一人で抱え込まず第三者へ相談することの大切さを学びました。
直接伝えることが難しい場合でも、双方を知る方や行政などに間へ入ってもらうことで、解決につながる可能性があります。
犬が長時間吠える主な理由
犬が長時間吠える背景には、さまざまな理由が考えられます。原因が一つとは限らず、犬の性格や年齢、飼育環境によっても異なります。
近所に住む側から原因を正確に判断することはできませんが、主な可能性を知っておくと、飼い主へ状況を伝えるときにも役立ちます。
留守番による不安や退屈
飼い主が出かけた後に鳴き始め、帰宅すると静かになる場合は、留守番による不安や退屈が関係している可能性があります。
犬によっては、一人で過ごすことに強い不安を感じる場合があります。また、散歩や遊びの時間が少なく、十分に体を動かせていないことが、鳴き続ける原因になることもあります。
私が悩んだ犬も、飼い主が仕事へ出かけている平日だけ鳴き、在宅している土日にはほとんど鳴きませんでした。飼い主が留守中の様子に気づいていないこともあるため、鳴いている時間帯を具体的に伝えることが大切です。
人や動物に対する警戒
家の前を人や車が通ったとき、ほかの犬の声が聞こえたときなどに、警戒して吠える犬もいます。
道路に面した庭や窓の近くなど、外の様子が見えやすい場所では、通行人や動物などの刺激に何度も反応してしまうことがあります。
この場合も、「いつもうるさい」と伝えるだけでなく、「人が家の前を通るたびに鳴いている」「朝夕の通勤時間帯に多い」など、気づいた傾向を飼い主へ伝えると、対策を考えてもらいやすくなります。
体調や飼育環境に問題がある場合
急に鳴き方が変わった場合や、昼夜を問わず鳴き続けている場合は、体調の変化が関係している可能性もあります。
また、暑さや寒さ、屋外で長時間過ごす不安など、飼育環境が影響していることも考えられます。ただし、近所に住む人が原因を決めつけることはできません。
飼い主へ伝える際は、「寂しいから鳴いている」「病気ではないか」と断定せず、鳴いている時間や様子だけを伝えましょう。必要に応じて、飼い主が獣医師やしつけの専門家へ相談することが望まれます。
近所の犬の鳴き声で悩んでいる方へ
犬の鳴き声が毎日のように続くと、自宅にいても心が休まらず、精神的にも身体的にも疲れてしまいます。「自分が神経質なだけかもしれない」と、一人で我慢を続ける必要はありません。
まずは、鳴いている日時や長さを記録し、状況を客観的に整理しましょう。そのうえで、飼い主へ穏やかに伝える方法や、自治会・管理会社・行政などに相談する方法を検討します。
私自身は、十分な記録を残さずに相談したため、解決まで遠回りをしました。しかし、最終的には地域の方が間に入ってくださり、犬の留守番場所が変わったことで、長時間の鳴き声に悩まされることはなくなりました。
相手へ直接伝えることが怖い場合は、無理をしなくて大丈夫です。自分の安全を優先し、信頼できる人や相談窓口を頼ってください。
すぐに状況が変わらなくても、一つずつ行動することで解決へ近づく可能性があります。ご自身の心と体を守りながら、無理のない方法で進めてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。