「50代で新しいパートを始めたけれど、仕事がなかなか覚えられない」
「何度も聞いたら、迷惑に思われるのではないか」
久しぶりに働き始めると、教わることの多さに戸惑いますよね。周りの人が簡単にこなしているように見え、自分だけ覚えるのが遅いと落ち込むこともあります。
私も妊娠と子育てで約20年のブランクがあり、50代で葬儀関係のパートを始めました。一番不安だったのは、年齢よりも「新しい仕事を覚えられるだろうか」ということです。
最初は式典スタッフとして働き、その後は事務へ移りました。電話対応、在庫管理、発注、精算などを一通りできるようになるまで、私の場合は約1年かかりました。
この記事では、私が実際に続けたメモの取り方、項目別ノート、付箋と色分け、年下の先輩から教わるときの姿勢、苦手だった電話対応の覚え方を紹介します。
ここで紹介するのは私個人の体験です。仕事の内容や覚えるまでの期間は、人や職場によって異なります。すべてを同じように行う必要はありませんので、自分の仕事と職場のルールに合わせて取り入れてください。
結論:一度で全部覚えようとせず、確認できる仕組みを作る
私が仕事を覚えるために一番役立ったのは、記憶力だけに頼らず「後から自分で確認できる仕組み」を作ったことです。
仕事中は走り書きでもよいのでメモを取り、自宅で読み返して、項目別のノートへ書き直しました。付箋や色分けも使い、必要な情報をすぐ探せるようにしました。
| 困っていたこと | 私がしたこと | 役立った場面 |
|---|---|---|
| 教わる量が多い | まず走り書きで残す | 説明を聞きながら要点を忘れない |
| メモがバラバラになる | 項目別にノートへ書き直す | 次の勤務前に仕事の流れを確認する |
| 同じ注意を繰り返しそう | 注意されたことを別に記録する | 作業前の確認に使う |
| 電話で聞き漏らす | メモ、聞き直し、復唱を徹底する | 相手の名前や用件を正確に引き継ぐ |
| 質問するのが恥ずかしい | 分からない部分を具体的に聞く | 分かったふりによる間違いを防ぐ |
メモを取るだけで終わらせず、自分が分かる順番に並べ直したことが大切でした。きれいなノートを作ることが目的ではありません。仕事中に迷ったとき、必要な答えへすぐ戻れる「自分専用のマニュアル」にすることが目的です。
約20年のブランク後、一番不安だったのは仕事を覚えられるか
私は20代の頃、ホテルのフロント・予約業務や事務、飲食店で働いた経験があります。その後、妊娠と子育てで約20年間、仕事から離れていました。
50代で仕事を探したときは、年齢、人間関係、新しい仕事を覚えられるかが不安でした。中でも一番大きかったのが、仕事を覚えることです。
採用された葬儀関係の仕事は未経験でした。これまでの接客や事務の経験を活かせる部分はありましたが、葬儀の流れ、宗教・宗派による違い、専門用語、物の置き場所など、初めて覚えることがたくさんありました。
履歴書に書いた過去の職歴や約20年のブランクについては、50代パートの履歴書|職歴はどこまで書く?20年ブランク後の体験で詳しく紹介しています。
私が実践した仕事の覚え方
教わっている間は走り書きでもメモを残す
先輩の説明を聞きながら、最初からきれいにまとめる余裕はありませんでした。まずは短い言葉でもよいので、仕事の順番や注意点を走り書きしました。
説明を一言一句書こうとすると、肝心の作業を見ることができません。私は、後から思い出すための言葉、数字、順番を優先して残しました。
聞くことと書くことを同時にするのが難しいときは、説明が一区切りついたところで「今の内容をメモしてもよいですか」と確認しました。
自宅で項目別ノートへ書き直す
仕事中のメモは、順番が前後したり、文字が読みにくくなったりします。私は少しずつ自宅で整理し、新しいノートへ項目別に書き直しました。
書き直すときに「この言葉は何を意味していたのか」「次は何をするのか」を考えるため、仕事の流れをもう一度思い出せました。
ただし、勤務先の個人情報や機密情報を自宅へ持ち出してよいとは限りません。持ち出しや書き写しについては、必ず職場のルールに従ってください。
付箋と色分けで探す時間を減らす
私はノートを項目別に分け、付箋と色分けも使いました。
例えば、作業の手順、電話対応、発注、注意されたことなどに分けておくと、必要なページを見つけやすくなります。色を増やしすぎるとかえって迷うため、自分が区別できる数に絞るのが使いやすいと思います。
注意されたことは必ず書く
失敗や注意を受けたときは落ち込みますが、私は同じことを繰り返さないために、注意された内容をメモしました。
「間違えたこと」だけではなく、「次から何を確認するか」まで書くようにすると、作業前のチェックに使えます。
注意された自分を責め続けるためのメモではありません。次にできるようになるためのメモです。
確認メモを見やすい場所に置く
事務を任されたときは、電話対応の注意点や在庫確認など、よく見る内容を自分の机の目立つ場所へ置いたり、机上のマットへ挟んだりしました。
ただし、社内の担当者名、電話番号、お客様や業者の情報などには注意が必要です。誰からも見える場所へ個人情報や機密情報を貼らず、メモの保管方法は職場のルールに従います。
分からないまま進めず、具体的に確認する
何度も質問するのが申し訳なくて、分かったふりをしたくなることもあります。しかし、曖昧なまま進めて間違えると、周りの仕事も増やしてしまいます。
私は「ここまでは分かりましたが、この後の順番をもう一度教えてください」のように、分からない部分を具体的に聞くようにしました。
同じ質問をするときは、「前回はこのようにメモしましたが、ここだけ確認させてください」と、自分で確認したところまで伝えると質問しやすくなります。
自分専用マニュアルに入れた項目
私がノートへ整理したのは、次のような内容です。
| 項目 | メモした内容の例 | 整理するときのポイント |
|---|---|---|
| 仕事の順番 | 準備から片付けまでの流れ | 作業する順に並べる |
| 注意点 | 間違えやすい場所、確認するタイミング | 次にする行動も書く |
| 物の置き場所 | 備品や書類の保管場所 | 場所が変わったら更新する |
| 専門用語 | 葬儀や事務で初めて聞いた言葉 | 自分の言葉で短く説明する |
| 社内の連絡先 | 誰に何を確認するか | 個人情報と社内ルールに注意する |
| 業者関係 | 業者ごとの依頼内容や連絡手順 | 正式な資料を優先し、変更を反映する |
| 電話対応 | 聞く項目、復唱する内容、取次先 | 電話のそばですぐ見られるようにする |
| 在庫・発注 | 確認時期、発注方法、数量 | 自分の記憶だけで判断しない |
ノートは一度作って完成ではありません。教わった内容が変わったときや、より分かりやすい方法を見つけたときは書き直しました。
厚生労働省の「マイジョブ・カード」には、これまでの経験や身につけた力を整理するための記入例があります。仕事を覚えるための業務マニュアルではありませんが、自分の経験を言葉にする参考になります。
年下の先輩から教わるときに意識したこと
職場では、自分より年下の人から仕事を教わることもあります。私も最初は戸惑いました。
それでも、仕事では相手が先輩です。年齢にこだわらず、相手を先輩として尊重し、教えてもらう立場に徹しました。
当時の気持ちをそのまま表すと、「できるようになるまでは下手に出てでも、早く習得しよう」と考えていました。ただし、自分を必要以上に低く見せるという意味ではありません。
分からないことを認め、説明を最後まで聞き、教えてもらったらお礼を伝える。そのうえで、次は一人でできるようにメモと復習をする。私にとって大切だったのは、この繰り返しです。
以前の職場で経験があっても、新しい職場には新しいやり方があります。「前の会社ではこうだった」と比べるより、まず今の職場の方法を覚えるようにしました。
式典スタッフから事務へ移って覚えたこと
式典スタッフは先輩の動きを見て覚えた
葬儀の式典スタッフとして約1年働きましたが、その時点でも私はまだ半人前だと感じていました。
研修では先輩と一緒に式へ入り、動きをまねしながら、受付案内、住職の接待、開式から出棺までの流れを一つずつ覚えました。簡単なマニュアルはありましたが、実際の現場を見なければ分からないことが多くありました。
葬儀関係で担当した具体的な仕事や大変だったことは、葬儀関係のパートはきつい?仕事内容と10年働いて分かったことにまとめています。
事務員の増員をきっかけに仕事が変わった
会社が事務員を増やすことになり、「やってみるか」と声をかけてもらいました。過去の事務経験を活かせることと、式があるときだけ呼ばれる勤務より安定することを考え、引き受けました。
事務では、電話対応、在庫管理、発注、精算を担当しました。式典スタッフとは違う仕事を覚え直すことになり、最初はまた不安でした。
事務の仕事を一通りできるまで約1年かかった
私の場合、事務の仕事を一通り一人でできるようになるまで、約1年かかりました。これは、誰でも1年かかるという意味ではありません。仕事内容、勤務日数、教わる環境によって期間は変わります。
一番難しかったのは電話対応
お客様、業者、社内からさまざまな電話がかかってきます。相手の話を短時間で聞き、内容を正確に理解し、答えるか担当者へつなぐ必要がありました。
電話は相手の表情が見えません。聞き慣れない名前や専門用語もあり、最初は電話が鳴るたびに緊張しました。
電話を取る前に必ずメモを用意した
電話機のそばには、すぐ書けるメモと筆記具を置きました。
相手の名前、会社名、電話番号、用件、誰宛てかを記録します。電話を切ってから思い出そうとしても、ほかの作業が入ると忘れてしまうからです。
聞き取れないときは曖昧にせず復唱した
私はゆっくり話し、聞き取れなかったときは曖昧なままにせず、もう一度お願いしました。
数字、日時、名前、商品や返礼品の数量などは特に間違えられません。「○月○日、○個でよろしいでしょうか」と必ず復唱しました。
聞き直すことを恥ずかしがるより、正確に確認することのほうが大切です。
辞めたいと思ったとき、先輩の言葉に励まされた
仕事がうまくできず、「自分には無理かもしれない」「辞めたい」と思ったこともあります。
教えてくれていた先輩から、「悔しいと思うなら、とにかく出来るようになりなさい」と励まされました。その言葉で、落ち込むだけで終わらず、できるようになるための行動へ戻ることができました。
一方で、年齢を考えると、また別の職場へ移る勇気がなかったことも続けた正直な理由です。強い意志だけで乗り越えたわけではありません。
辞めずに続けた結果、少しずつ任される仕事が増えました。ただし、どんな職場でも我慢して続けるべきだとは思いません。十分に教えてもらえない、体調を崩している、強い叱責や嫌がらせが続くといった場合は、一人で抱え込まず、上司や勤務先の相談窓口などへ相談してください。
仕事が覚えられないときに避けたいこと
分かったふりをして進める
質問しにくくても、分からないまま進めると大きな間違いにつながることがあります。特に数字、日時、金額、発注内容は、必ず確認するようにしました。
メモを取っただけで見返さない
メモが増えても、必要な内容を見つけられなければ仕事中に使えません。走り書きを見返し、不要な内容を除き、仕事の順番や項目ごとに整理します。
覚える速さを周りと比べ続ける
私は、周りと比べるほど焦り、かえって頭に入らないと感じました。昨日できなかった作業が今日は一つできたか、自分の変化を見るようにしました。
すべてを一人で解決しようとする
マニュアルやメモで確認しても分からないことは、早めに質問します。作業方法が変わっている可能性もあるため、自分の古いメモだけを正しいと思い込まないことも大切です。
仕事を続けること自体が難しいと感じた場合は、条件や職場選びを見直す方法もあります。50代でパートが決まらない方へ|不採用後に私が見直した5つのことでは、私が応募条件を見直した体験を紹介しています。
50代パートの仕事の覚え方に関するよくある質問
同じことを何度も聞いてもよいですか?
分からないまま作業するより、確認したほうがよい場面があります。ただし、まず自分のメモや職場のマニュアルを確認し、どこが分からないのかを整理してから質問すると伝わりやすくなります。
教わった後は、同じ場面で確認できるようにメモへ追加します。
メモを取る時間がないときはどうしますか?
作業中に長く書けない場合は、後から思い出せる短い言葉だけ残します。作業が一区切りついたら、書き足す時間をもらえるか先輩へ確認します。
安全やお客様対応を止めてまでメモを優先せず、職場の指示に従ってください。
ノートはどのように分ければよいですか?
私は、仕事の順番、注意点、物の置き場所、専門用語、電話対応、在庫・発注など、項目別に分けました。
自分が迷ったときに探す言葉を見出しにすると使いやすくなります。付箋や色は、増やしすぎないこともポイントです。
仕事を覚えるまで、どれくらいかかりますか?
私は式典スタッフを約1年経験した後に事務へ移り、事務を一通りできるようになるまで約1年かかりました。
必要な期間は、仕事の難しさ、勤務回数、研修、本人の経験によって異なります。周囲と同じ期間でできることを目標にせず、担当者へ今の到達状況を確認するとよいと思います。
50代未経験でも新しい仕事に応募できますか?
私は約20年のブランク後、50代・未経験で葬儀関係のパートに採用されました。ただし、同じ条件なら必ず採用されるわけではありません。
過去の接客や事務経験、働ける時間、学ぶ姿勢を面接で伝えました。実際の志望動機と面接で意識したことは、葬儀パートの志望動機|50代未経験で採用された例文と面接対策で紹介しています。
まとめ
私は約20年のブランク後、50代で未経験の仕事を始めました。新しい仕事を覚えられるか不安で、辞めたいと思ったこともあります。
それでも、次の方法を一つずつ続けました。
- 教わっている間は走り書きでもメモを残す
- 自宅で確認できる範囲の内容を項目別ノートへ整理する
- 付箋と色分けで必要なページを探しやすくする
- 注意されたことと、次に確認することを書く
- 分からない部分を具体的に質問する
- 電話ではメモ、聞き直し、復唱を徹底する
- 年齢に関係なく、相手を先輩として尊重する
長いブランクのあと、以前より覚えるスピードが落ちたと感じるのは、私には自然なことでした。自分を責めすぎず、書いたメモをそのままにせず、自分が探しやすい「自分専用のマニュアル」に作り直してみてください。
焦らず、気持ちを強く持って、一つずつできることを増やしていきましょう。