「50代からパートを始めたいけれど、何の仕事が自分に合うのか分からない」
「未経験でも応募できる仕事はあるのだろうか」
仕事を探し始めると、職種の多さに迷う一方で、年齢や仕事のブランクが気になりますよね。
私もこれまでに、飲食店の調理補助、ホテルのフロント兼予約業務、葬儀関係の仕事を経験しました。50代では未経験だった葬儀関係のパートに採用され、その後は約10年間、500件以上の葬儀に携わりました。
この記事では、50代女性が検討しやすい5つのパートを、仕事内容、向いている人、体力面、勤務時間の注意点から比較します。
私が経験した3つの仕事は実体験を交え、経験していないスーパーと清掃の仕事は、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」を参考にまとめました。
「おすすめだから」とすぐに決めるのではなく、自分が無理なく続けられる仕事を見つける参考にしてください。
結論:職種名より先に3つの条件を決める
仕事を探す前に、次の3つを考えてみましょう。
- 人と話す仕事と、一人で進める仕事のどちらが合うか
- 立ち仕事や物を運ぶ作業を、無理なく続けられるか
- 平日昼間以外に、早朝、夕方、土日に働けるか
同じ職種でも、勤務先や担当する部署によって仕事内容は異なります。
たとえば、スーパーの仕事にはレジだけでなく、品出しや商品の加工などがあります。飲食店も、ホールと調理補助では人と接する量や体力的な負担が違います。
まずは「できそうな仕事」ではなく、「長く続けられそうな働き方」から考えることが大切です。
希望条件の整理方法は、50代でパートが決まらない方へ|不採用後に私が見直した5つのことでも紹介しています。
50代女性におすすめのパート5選【比較表】
今回紹介する5つの仕事を、比較しやすいようにまとめました。
| 仕事 | 人との関わり | 体力面で確認したいこと | 勤務時間で確認したいこと |
|---|---|---|---|
| スーパー・店舗スタッフ | 多め | 立ち仕事、品出し、商品の運搬 | 早朝、夕方、土日 |
| 飲食店・調理補助 | 担当による | 立ち仕事、暑さ、鍋や食材の運搬 | 昼・夜の忙しい時間 |
| 清掃スタッフ | 来客対応は少なめ | 中腰、移動、道具やゴミの運搬 | 早朝、作業場所による違い |
| ホテル・施設の受付 | 多い | 立ち仕事、同時に複数の対応 | 早番、遅番、夜勤 |
| 葬儀・セレモニースタッフ | 多い | 設営、立ち仕事、精神的な負担 | 土日、時間変更、夜間対応の有無 |
これは一般的な目安です。「接客が少ない」「体力的に楽」と一律に決められるものではありません。応募する求人の仕事内容を必ず確認してください。
50代女性が検討したい5つのパート
スーパー・店舗スタッフ
スーパーでは、レジ、品出し、商品の陳列、来店したお客様への案内などを行います。売場によっては、総菜や生鮮食品の加工、値札の貼り替え、商品の発注を担当することもあります。
厚生労働省の「job tag」では、スーパー店員は入職時に特定の学歴や資格を求められないことが一般的で、マニュアルや先輩の助言を受けながら仕事を覚えると説明されています。ただし、生鮮食品の加工など、経験や技術が必要な担当もあります。
人と接することが苦にならず、商品を丁寧に扱える人には、検討しやすい仕事の一つです。
一方で、レジだけを想像して応募すると、品出しや重い商品を運ぶ作業に戸惑うかもしれません。土日や夕方に働ける人を求める店舗もあります。
応募前には、次の点を確認しましょう。
- レジと品出しのどちらが中心か
- 飲料など重い商品を運ぶことがあるか
- 土日、夕方、早朝の勤務が必要か
- レジや端末の研修があるか
私はスーパーで働いた経験がありません。そのため、ここでは公的な職業情報をもとに、応募前の確認点だけを紹介しています。
飲食店・調理補助
調理補助では、食材の下ごしらえ、食器や調理器具の準備、盛り付け、洗浄、調理場の清掃などを行います。担当する範囲は勤務先によって異なります。
私が飲食店で調理補助をしていたときは、食材を切り、決められたレシピどおりにカレーを作っていました。使った調理器具の洗浄も担当しましたが、盛り付けと、お客様が使用した食器の洗浄はしていませんでした。
実際に働いて大変だったのは、立ち仕事であることです。鍋や食材の箱を運び、たくさんの野菜の皮をむいて刻むため、体力も必要でした。
食べ物を扱うので衛生面にも気を遣います。火を使うコンロの前は暑く、特に忙しい時間は大変でした。
それでも、続けるうちに体力がつき、包丁さばきも上手になりました。
お昼のピークを無事に乗り切ったときには達成感がありました。用意したカレーが早く減る日は忙しいのですが、「よく注文されている」と感じられて、うれしかったことを覚えています。
厚生労働省の「job tag」でも、調理補助は立ち仕事のため一定の体力が求められ、衛生管理が重要だと説明されています。
応募するときは、次の点を確認しておくと安心です。
- ホールと調理補助のどちらを担当するか
- 食材や重い鍋を運ぶ作業があるか
- 調理場の暑さや服装
- 昼食や夕食の忙しい時間に勤務するか
- 衛生管理や作業手順を教えてもらえるか
清掃スタッフ
清掃スタッフは、オフィス、店舗、学校、病院、ホテルなどで、床や共用部分の清掃、ゴミの回収、トイレ清掃、備品の補充などを行います。
来客への接客が少ない求人もあるため、人前で話し続ける仕事が苦手な人には選択肢の一つです。ただし、一人で全く会話をせずにできるとは限りません。作業内容の確認や、職場の人への報告と連絡は必要です。
家庭で掃除をしているから簡単、とは言い切れません。決められた時間内に広い範囲を清掃し、業務用の道具や洗剤を使う場合があります。中腰での作業、階段の移動、ゴミや道具の運搬など、体力を使う場面もあります。
応募前には、次の点を確認しましょう。
- オフィス、病院、ホテルなど、どの施設を清掃するか
- 一人で行うか、チームで行うか
- トイレ清掃が含まれるか
- 階段移動や中腰の作業が多いか
- 早朝勤務があるか
私は清掃スタッフとして働いた経験はありません。この仕事も、厚生労働省の「job tag」に掲載された仕事内容を参考にしています。
ホテル・施設の受付
ホテルや施設の受付では、来客の案内、電話対応、予約管理、会計、関係部署への連絡などを行います。
私はホテルのフロント兼予約業務で、予約の管理、客室の振り分け、電話対応、チェックイン・チェックアウトの処理を担当しました。
現在はパソコンや専用の予約システムを使う職場が多いと思いますが、私が働いていた当時は紙の予約台帳を使っていました。
勤務先は会員制ホテルでした。お客様から難しい要望を受けることもあり、空室がない状況でも、営業担当者から担当するお客様の部屋を用意してほしいと求められることがありました。
お客様への対応、電話、予約の管理が重なっても、何を先にするかを素早く判断しなければなりません。
大変なこともありましたが、仕事を通じて、マナーや言葉遣い、コミュニケーション力が身についたと感じています。複数の仕事へ優先順位をつけ、状況に合わせて動く力も身につきました。
人の話を聞き、丁寧に案内することが好きな人には、経験を活かしやすい仕事です。一方で、受付は「座って応対するだけの仕事」ではありません。
応募前には、次の点を確認しましょう。
- 予約や会計で使うパソコン操作
- 電話対応の量
- 早番、遅番、夜勤の有無
- 立って応対する時間
- 一人で勤務する時間があるか
- 困ったときに相談できる人がいるか
葬儀・セレモニースタッフ
葬儀関係の求人には、参列者の案内、会場準備、式の進行補助、配膳、事務など、さまざまな仕事があります。
私は50代で、未経験から葬儀関係のパートを始めました。
最初に担当したのは、参列者の受付と案内、ご住職への接待、開式から出棺までの進行に合わせた案内です。
経験を積んでからは、葬儀の事前準備、返礼品の用意、供花・供物の発注、電話対応、事前相談、在庫管理と発注、精算業務も任されるようになりました。
約10年間で500件以上の葬儀に携わりましたが、最初から抵抗なくできたわけではありません。
未経験の頃は、ご遺体を間近で見ることに戸惑いました。葬儀のマナーだけでなく、宗教や宗派による違いも覚える必要があります。
葬儀は、やり直しのできない大切な儀式です。進行を支える仕事には、一発勝負のような緊張感がありました。深い悲しみの中にいるご遺族へ、どのように接すればよいか悩むこともありました。
それでも、ご遺族から感謝の言葉をいただいたときには、仕事の意味を感じました。マナーや立ち振る舞いが身につき、できる仕事が増えたことも、続ける支えになりました。
ただし、きつい仕事でもありました。長く続けた理由には、一通りの仕事ができるようになった一方、新しい職場へ移ることに不安があったという正直な気持ちもあります。
葬儀関係の仕事は、やりがいだけで選べる仕事ではありません。精神的な負担、立ち仕事、宗教や宗派の知識、急な時間変更なども考える必要があります。
応募前には、次の点を確認しましょう。
- 案内、配膳、設営、事務などの担当範囲
- ご遺体と接する業務があるか
- 自動車の運転や搬送を担当するか
- 土日、夜間、急な時間変更への対応
- 宗教や宗派、接客マナーの研修内容
- 精神的につらいときに相談できる体制
自分に合うパートを選ぶ5つの確認ポイント
仕事内容を具体的に確認する
同じ職種名でも、勤務先によって担当する仕事は違います。
「調理補助」と書かれていても、食材を切る仕事が中心なのか、配膳や食器洗浄も含むのかは求人ごとに異なります。応募前に仕事内容を読み、分からない部分は面接で確認しましょう。
体力面を細かく考える
「立ち仕事ができるか」だけでなく、次の点も確認します。
- 何時間続けて立つのか
- 中腰の作業があるか
- 階段を移動するか
- 重い物を運ぶか
- 暑い場所や寒い場所で働くか
今できることだけでなく、半年後も無理なく続けられそうかを考えることが大切です。
通勤を含めて勤務時間を考える
短時間勤務でも、早朝や夜間の通勤が負担になることがあります。
家庭の予定、睡眠時間、通勤時間も含めて、続けやすい曜日と時間を考えましょう。
過去の経験を別の仕事へ置き換える
未経験の仕事でも、これまでの経験が役立つ場合があります。
私の場合は、ホテルで身につけた接客、電話対応、予約管理、優先順位を判断する力が、葬儀関係の仕事でも役立ちました。
仕事内容の名前が違っても、次のような共通点を探してみましょう。
- 接客や電話対応
- 会計や予約管理
- 食品や物品の衛生管理
- 周囲と協力して進める力
- 忙しいときに優先順位を判断する力
未経験の仕事へ応募するときの考え方は、50代女性が未経験でパートに応募するときに意識した5つのことでも詳しく紹介しています。
研修と質問できる環境を確認する
求人に「未経験可」と書かれていても、教え方や一人で仕事を任されるまでの期間は職場によって異なります。
面接では、研修内容、誰に質問できるのか、最初に担当する仕事を確認しておくと安心です。
面接の準備については、50代女性のパート面接でよく聞かれる質問5つ|答え方と事前準備も参考にしてください。
求人サービスで探すときの絞り込み方
求人サービスを使うときは、職種だけでなく、次の条件でも絞り込んでみましょう。
- 自宅から通える勤務地
- 希望する勤務時間
- 未経験可
- ブランク可
- 50代活躍中、中高年活躍中
- 扶養内勤務
- 研修あり
「50代活躍中」という表示は、採用を保証するものではありません。それでも、自分に合う応募先を探すための目安にはなります。
一つの求人サービスだけで見つからないときは、地域の求人情報やハローワークなども見比べてみましょう。
仕事探しを始めたときの気持ちと、実際に働いて感じたことは、50代でパートを始めた私の体験談|仕事探しの不安と働いてよかったことで紹介しています。
よくある質問
50代で未経験のパートへ応募してもよいですか?
求人に「未経験可」と記載され、仕事内容と勤務条件に無理がなければ、選択肢の一つになります。
ただし、未経験可は「簡単な仕事」という意味ではありません。研修内容や、最初に担当する仕事、一人で任されるまでの流れを確認しましょう。
体力に自信がない場合は何を確認すればよいですか?
立つ時間、中腰の作業、階段移動、重い物の運搬、暑さ寒さ、休憩の取り方を確認します。
職種名だけでは体力的な負担を判断できません。可能であれば、面接で実際の作業場所や一日の流れを尋ねてみましょう。
接客が苦手でもできるパートはありますか?
清掃など、来客対応が比較的少ない求人もあります。
ただし、どの仕事でも、職場の人への報告や連絡は必要です。接客が少ないことと、人と全く話さないことは同じではありません。
事務職は50代未経験でも応募できますか?
未経験可の事務求人もありますが、必要なパソコン操作や電話対応は職場によって異なります。
仕事内容と応募条件を確認し、過去の予約管理、会計、電話対応など、事務にも活かせる経験がないか整理してみましょう。
まとめ
今回紹介したパートは、次の5つです。
- スーパー・店舗スタッフ
- 飲食店・調理補助
- 清掃スタッフ
- ホテル・施設の受付
- 葬儀・セレモニースタッフ
50代女性にとって大切なのは、一般的な「おすすめランキング」だけで仕事を決めないことです。
人との関わり方、体力、勤務できる時間、これまでの経験を確認すると、自分に合う仕事を絞りやすくなります。
私も、飲食店やホテルで身につけたことを、50代で始めた葬儀関係の仕事へ活かしました。一方で、どの仕事にも大変な面があります。
まずは気になる仕事を二つ選び、実際の求人で仕事内容と勤務時間を比べてみてください。