「パート先の電話が鳴ると緊張する」
「相手の名前や用件を聞き取れず、メモも追いつかない」
電話対応は、相手の表情が見えないまま、聞く・考える・書く・答えることを同時に行います。初めての職場や久しぶりの仕事で、怖いと感じるのは不思議なことではありません。
私も50代で約20年のブランクを経てパートの仕事に復帰し、葬儀会社の事務を任されたとき、電話対応に一番苦労しました。お客様、業者、社内からさまざまな内容の電話があり、その場で正確に判断しなければならなかったからです。
それでも、メモを必ず手元に置く、聞き取れないことは曖昧にしない、最後に復唱するという基本を繰り返し、少しずつ対応できるようになりました。
この記事では、私の体験をもとに、電話を取る前の準備、伝言メモに書く項目、聞き取れないときの聞き返し方を例文付きで紹介します。
職場によって、名乗り方、保留・転送の方法、答えてよい内容は異なります。実際の対応では、勤務先のマニュアルや上司の指示を優先してください。
結論:一度で全部聞き取ろうとせず、確認と復唱をする
電話対応で私が最も大切だと感じたのは、一度で完璧に聞き取ろうとしないことです。
分からないまま電話を切るより、その場でもう一度聞くほうが、相手のためにも職場のためにもなります。特に、次の情報は声に出して確認しました。
- 相手の会社名と名前
- 誰への電話か
- 用件
- 電話番号
- 日時、数量、金額などの数字
- 折り返しが必要か
聞き直すことは失敗ではありません。丁寧に確認し、正確に引き継ぐことも電話対応の仕事です。
私がパートの電話対応を怖いと感じた理由
相手の表情が見えず、聞き直すタイミングが難しかった
対面なら、相手の表情や資料を見ながら話せます。電話では声だけが頼りです。相手が早口だったり、声が小さかったりすると、会社名や名前を一度で聞き取れないことがありました。
どのタイミングで話を止めてよいか分からず、聞き取れないまま先へ進みそうになることもありました。
お客様、業者、社内で用件がまったく違った
葬儀会社の事務では、お客様からの問い合わせだけでなく、業者や社内からの電話も受けました。
電話の内容は、事前相談、供花や供物、返礼品、在庫、発注、精算、社内連絡などさまざまです。誰に取り次ぐべきか、自分が答えてよいのかを短い時間で判断する必要がありました。
名前や専門用語を知らないと聞き取りにくかった
働き始めた頃は、社内の人、取引先、業者の名前や専門用語を十分に覚えていませんでした。知らない言葉は、音が聞こえても正しい文字に結びつかないことがあります。
そのため私は、よく電話をくださる会社名や業者名、担当者名を、職場のルールに反しない範囲で自分用のノートにまとめました。
仕事全体の覚え方や、自分専用ノートの作り方は、50代パートで仕事が覚えられない?20年ブランク後に私がしたことで詳しく紹介しています。
電話を取る前に準備したこと
電話のそばにメモと筆記具を置く
私は、電話が鳴ってから紙やペンを探さなくてよいように、必ず電話のそばへ用意しました。
広告の裏のような小さな紙より、聞く項目が決まった電話メモや、余裕をもって書けるノートのほうが使いやすいと思います。書き損じに備え、筆記具も複数あると安心です。
保留、転送、取り次ぎ方を先に確認する
電話機の操作が分からないと、相手を待たせてしまい、さらに焦ります。私は、保留ボタン、転送方法、保留を解除する方法を先に確認しました。
担当者が不在のときに、自分で用件を聞くのか、折り返しにするのかも職場によって異なります。困ったときに誰へ確認するかまで教えてもらうと安心です。
よく使う言葉を見える場所に置く
電話の最初の名乗り方や、担当者が不在のときの言い方は、短い例文にして電話の近くへ置きました。同じ言葉を繰り返すうちに、考えなくても口から出るようになります。
ただし、お客様の個人情報、私用の電話番号、社外秘の情報を誰からも見える場所へ貼ってはいけません。メモの保管方法は職場のルールに従います。
伝言メモに最低限書く7項目
電話を取りながら文章を全部書こうとすると、相手の話についていけません。まず、引き継ぎに必要な項目を埋めることに集中しました。
| 項目 | メモする内容 | 確認するときの言い方 |
|---|---|---|
| 受電日時 | 電話を受けた日と時刻 | - |
| 相手 | 会社名、部署名、名前 | 「会社名とお名前をもう一度お願いいたします」 |
| 宛先 | 誰に用事があるか | 「〇〇宛てでよろしいでしょうか」 |
| 用件 | 何についての電話か | 「〇〇の件でよろしいでしょうか」 |
| 電話番号 | 折り返し先 | 数字を区切って復唱する |
| 対応 | 折り返し、再度電話、伝言のみ | 「折り返しをご希望でしょうか」 |
| 期限 | いつまでに連絡が必要か | 「本日中でよろしいでしょうか」 |
電話を切った後は、自分の名前も書きました。誰が受けた伝言か分かるため、担当者が確認しやすくなります。
電話メモは職場指定の用紙があれば、それを使うのが基本です。指定がない場合は、必要な項目を先に書いた用紙を用意すると、次に何を聞くか迷いにくくなります。
電話のそばへ置くノートや伝言メモを探している方は、書く欄の大きさや必要な項目を比べてみてください。
電話を受けてから切るまでの基本的な流れ
最初に勤務先名と自分の名前を名乗る
電話に出たら、職場で決められた言い方で名乗ります。私は、焦ると早口になるため、意識してゆっくり話しました。
相手が名乗ったら、会社名と名前をメモします。最初に聞き取れなかった場合は、そのままにせず用件へ入る前に確認します。
宛先と用件を聞く
次に、誰への電話なのか、何の用件なのかを聞きます。
用件が長いときは、すべてを書き取ろうとせず、商品名、日時、数量、折り返しの要否など、担当者が判断するために必要な言葉を優先しました。
保留にして担当者へ確認する
自分で判断できない内容を、推測で答えないようにしました。「確認いたしますので、少々お待ちください」と伝え、保留にして担当者へ確認します。
長く待たせそうな場合の対応は職場ごとに違います。いったん電話を切って折り返す場合は、相手の名前と電話番号を必ず確認します。
最後に要点を復唱する
電話を切る前に、名前、連絡先、用件、日時や数量を復唱します。
私は「〇〇会社の△△様、〇〇についてのお電話で、折り返し先は〇〇ですね」のように確認しました。声に出して読み上げると、自分の書き間違いにも気づけます。
聞き取れないときに使える聞き返し方
会社名や名前を聞き取れなかったとき
「恐れ入ります。もう一度、会社名とお名前をお願いできますでしょうか」
一部だけ聞き取れた場合は、「〇〇会社の、どちら様でしょうか」と、分かった部分を伝えてから確認すると聞きやすくなります。
同じ読み方の名前がある場合は、「失礼ですが、どのような漢字でしょうか」と尋ねる方法もあります。
声が小さい、音が途切れるとき
「申し訳ございません。お電話が少し遠いようです。もう一度お願いいたします」
相手の話し方を責める表現ではなく、電話の状態として伝えると、聞き返しやすくなります。
用件を整理できなかったとき
「確認のため復唱いたします。〇〇についてのお問い合わせでよろしいでしょうか」
長い説明を一度に理解しようとせず、分かった内容を短く返します。違っていれば相手が訂正してくれるため、曖昧なまま引き継ぐのを防げます。
数字、日時、数量を確認するとき
「〇月〇日の〇時、数量は〇個でよろしいでしょうか」
数字は聞き間違いが起きやすいため、一つずつ区切って復唱しました。金額や発注数など重要な数字は、担当者にも再確認してもらいます。
メモが追いつかないときに私がしたこと
文章ではなく短い言葉で書く
相手が話した文章を、そのまま書き取る必要はありません。私は「折返」「本日中」「〇個」のように、自分が後から分かる短い言葉で書きました。
分からない漢字は、電話中に考え込まず、ひらがなで音を残しました。電話を切った後、正式な表記を確認します。
書く間だけ待ってもらう
メモが追いつかないときは、「恐れ入ります。確認しながら記入いたしますので、少々お待ちください」と伝えました。
黙ったままにすると、相手は電話が切れたのか不安になります。一言伝えてから書くと、自分も落ち着いて確認できます。
電話を切った直後にメモを整える
走り書きのまま時間がたつと、自分でも読めなくなることがあります。電話を切った直後に、不足している項目がないか確認し、担当者へすぐ渡しました。
後で渡そうと思って机に置くと、別の電話や作業で忘れることがあります。誰へ、いつまでに伝えるかを決め、引き継ぎが完了するところまでを電話対応と考えました。
電話対応を含め、私が葬儀関係で担当した仕事は、葬儀関係のパートはきつい?仕事内容と10年働いて分かったことでも紹介しています。
電話対応で避けたいこと
聞き取れたふりをする
何度も聞くのが申し訳ないと思い、分かったふりをすると、名前や電話番号を間違えて伝える可能性があります。私は、聞き取れなかった部分を具体的にもう一度お願いしました。
自分の判断だけで答える
早く答えようとして、確かでない内容を伝えないようにしました。特に、価格、在庫、日程、契約に関わる内容は、答えてよい人や確認方法が決まっている場合があります。
メモを置いたままにする
電話メモには、名前や電話番号などの個人情報が含まれます。担当者へ渡した後の保管や処分も、職場のルールに従います。
50代・約20年のブランク後でも少しずつ慣れた
私は20代の頃にホテルのフロント・予約業務や事務で電話対応を経験しました。しかし、妊娠と子育てによる約20年のブランク後、新しい職場の電話を受けるのはやはり不安でした。
葬儀会社では、これまで知らなかった業者名や専門用語も多く、電話の内容を瞬時に正確に理解することが一番難しかったです。
私は、ゆっくり話す、分からなければ聞き直す、必ず復唱する、電話を取るときはメモを手元に置くという方法を繰り返しました。事務の仕事を一通りできるようになるまで、私の場合は約1年かかりました。
最初から電話が得意になったわけではありません。同じ会社名や用件を何度も聞き、対応の型が少しずつ増えたことで、以前ほど慌てなくなりました。
約20年のブランク後に仕事へ復帰した経緯は、50代パートの履歴書|職歴はどこまで書く?20年ブランク後の体験にまとめています。
パートの電話対応に関するよくある質問
何度も聞き返すのは失礼ですか?
丁寧な言葉で、聞き取れなかった部分を具体的に確認します。曖昧な情報を伝えるより、正確に確認することが大切です。
会社名、名前、電話番号、日時、数量は最後に復唱すると、何度も最初から聞き直すのを減らせます。
電話に出ると頭が真っ白になります
電話の前に、最初のあいさつと、聞く項目を書いたメモを置いておきます。電話が鳴ったら、まずその紙を見るようにすると、次の行動を思い出しやすくなります。
電話機の操作や取り次ぎ方を、忙しくない時間に先輩と練習できるか相談するのも一つの方法です。
クレームや分からない質問にはどう対応しますか?
自分だけで解決しようとせず、相手の名前、連絡先、用件を確認し、職場で決められた担当者へ引き継ぎます。
判断に迷う場合は「確認いたしますので、少々お待ちください」と伝え、上司や担当者へ確認します。勝手な約束や回答はしないようにします。
いつまでたっても電話が怖い場合はどうしますか?
どの部分が怖いのかを分けて考えます。名前を聞き取れない、メモが追いつかない、電話機の操作が分からないなど、原因によって練習する内容が変わります。
十分な説明がないまま難しい電話を任されている場合は、上司へ研修や取次ルールの確認を相談してください。強い動悸などで仕事や生活に支障が続く場合は、無理に一人で抱え込まず、医療機関などの専門家へ相談することも検討してください。
参考にした情報
シヤチハタ公式メディアでは、電話を取る前にペンとメモを準備し、内容を復唱する方法などが紹介されています。
参考:電話対応でメモが素早く取れない人必見!簡単な取り方と聞きながら取るコツ
NECネッツエスアイの記事では、電話中のメモや、聞き取れないときの確認例が紹介されています。
参考:電話対応時に相手の声を聞き取れない場合の対処法とは?応対のコツを解説
まとめ
パートの電話対応が怖いときは、一度で完璧に聞き取ろうとせず、確認と復唱を使うことが大切です。
私は次のことを繰り返しました。
- 電話のそばにメモと筆記具を置く
- 相手の会社名、名前、宛先、用件、連絡先を記録する
- 聞き取れなかった部分は丁寧に聞き直す
- 日時、数量、電話番号は声に出して復唱する
- 分からないことを自分の判断だけで答えない
- 電話を切った直後にメモを整え、担当者へ渡す
電話対応は、知っている会社名や用件が増えるほど、少しずつ流れを予想できるようになります。聞き直す自分を責めず、まずは正確に一件を引き継ぐことから始めてみてください。
新しい仕事そのものがなかなか決まらず悩んでいる方は、50代でパートが決まらない方へ|不採用後に私が見直した5つのことも参考にしてください。