「葬儀会社の事務パートは、未経験でも応募できるの?」
「普通の事務とは仕事内容が違うのだろうか」
葬儀会社の求人が気になっても、電話で何を聞かれるのか、ご遺族へどう接するのか、専門知識や資格が必要なのか分からず、不安になりますよね。
私は50代で未経験から葬儀関係のパートを始めました。最初は式典スタッフとして約1年働き、その後、事務員の増員をきっかけに事務へ移りました。
勤務は午前9時から午後5時まで、週3~4日のシフト制でした。電話・来客対応、返礼品の準備、供花・供物や料理の発注、在庫管理、搬送の手配、葬儀代金の精算などを担当しました。
資格や高いパソコンスキルは必要ありませんでしたが、仕事は入力だけではありません。急な変更へ対応し、複数の業務を同時に進め、間違いがないよう何度も確認する力が必要でした。
この記事では、私が実際に担当した一日の流れ、仕事内容、大変だったこと、向いている人、応募前に確認してほしい条件を紹介します。
葬儀会社によって、事務員が担当する範囲は大きく異なります。ここで紹介するのは私が勤めた会社での体験です。応募するときは、必ず求人票と面接で実際の業務範囲を確認してください。
結論:未経験でも応募できるが、一般事務より判断力を求められることがある
私が働いた会社では、葬儀会社の事務を始めるための資格や高いパソコンスキルは必要ありませんでした。入力作業が中心で、一から作る書類も簡単なものでした。
そのため、未経験でも教えてもらえる職場であれば始められると思います。ただし、「電話を受けて入力するだけ」と考えると、入社後にギャップを感じるかもしれません。
私の職場では、今日行われる式を最優先しながら、電話、来客、発注、翌日以降の準備を同時に進めました。担当者やほかの社員が出払っているときは、自分で業者とやり取りすることもありました。
応募前には、研修の有無、葬儀がない日の勤務、事務員が担当する仕事の範囲を確認することが大切です。
式典スタッフから葬儀会社の事務へ移った経緯
未経験で式典スタッフから始めた
私は葬儀関係の仕事が初めてでした。最初は式典スタッフとして、参列者の受付案内、住職の接待、開式から出棺までの案内などを担当しました。
式典スタッフとして約1年働きましたが、その時点ではまだ半人前だと感じていました。
式典スタッフの詳しい仕事内容や大変だったことは、葬儀関係のパートはきつい?仕事内容と10年働いて分かったことで紹介しています。
事務員の増員で声をかけてもらった
会社が事務員を増やすことになり、「事務をやってみるか」と声をかけてもらいました。
20代の頃にホテルのフロント・予約業務や事務を経験していたため、その経験を活かせることと、式があるときだけ呼ばれる勤務より収入が安定することを考え、引き受けました。
一人で任されるまで約1年かかった
最初に、もともと事務を担当していた先輩からマニュアルを一通り教わりました。しかし、実際の仕事はマニュアルに書かれていないことがほとんどでした。
先輩について実際の対応を見ながらメモを取り、同じ場面を経験するたびに覚えました。私の場合、事務所を一人で任されるまで約1年かかりました。
仕事用ノートの整理方法は、50代パートで仕事が覚えられない?20年ブランク後に私がしたことにまとめています。
葬儀会社の事務パートの勤務時間と一日の流れ
私の勤務は午前9時から午後5時まで、週3~4日のシフト制でした。
| 時間・場面 | 主な仕事 | 優先したこと |
|---|---|---|
| 出勤後 | 事務所の掃除 | 来客を迎えられる状態にする |
| 朝 | 当日の式の予定確認 | 今日行われる式を最優先する |
| 日中 | 電話・来客対応、発注、在庫確認 | 急な依頼を担当者へ伝える |
| 空いた時間 | 翌日以降の式の準備 | 返礼品、供花・供物などを確認する |
| 式の変更時 | 数量変更、追加発注、関係者への連絡 | 時間と数量を復唱する |
| 式後 | 精算、在庫や書類の確認 | 金額と不足品を確認する |
毎日この順番どおりに進むわけではありません。新しい葬儀の依頼や、当日の式に関係する追加注文が入れば、予定していた作業を止めて対応しました。
私が担当した葬儀会社の事務の仕事内容
朝の掃除と当日の式の予定確認
出勤したら、まず事務所を掃除しました。その後、今日行われる式の時間、会場、担当者、必要な準備を確認します。
私の仕事では「今日の式が最優先」でした。当日の式に不足が出ないよう、返礼品、供花・供物、料理などの数量を確認しました。
電話対応と来客対応
電話は、お客様、業者、僧侶、社内などからかかってきます。新しい葬儀の依頼、供花・供物の注文、料理や返礼品の変更、事前相談など、内容はさまざまでした。
来客時は用件を伺い、担当者へつなぎます。ご遺族は深い悲しみや不安の中にいるため、明るすぎず暗すぎない、落ち着いた対応を意識しました。
電話で相手の名前や用件を聞き取れないときの確認方法は、パートの電話対応が怖い|聞き取れないときの聞き返し方とメモ術で詳しく紹介しています。
返礼品、供花・供物、料理の受注と発注
翌日以降の式に向けて、返礼品を用意し、供花・供物や料理を受注・発注しました。
当日の式でも、供花・供物や返礼品の追加、料理数の変更が入ることがあります。その場合はほかの作業より優先し、式の担当者へ素早く連絡しました。
担当者が忙しいときや、ほかの社員も出払っているときは、私が業者と直接やり取りすることもありました。
新しい葬儀依頼の電話と搬送手配
新しい葬儀の依頼電話が入ったときも、最優先で対応しました。
故人名、依頼者名、連絡のつく電話番号など、こちらから聞く内容はすべて復唱して確認しました。
さらに、どこへ何時に迎えに行き、どこへ搬送・安置するかを確認します。お客様、搬送業者、対応する社員の三者へそれぞれ時間を確認し、手配する仕事が一番緊張しました。
一つの時間や場所を間違えると複数の方へ影響するため、分かったつもりで進めず、細心の注意を払いました。
在庫管理と発注
返礼品や葬儀で使用する物品の在庫を確認し、足りなくなる前に発注しました。
式が重なると、普段より多くの商品が動きます。在庫数だけでなく、予定されている式で必要な数量も考えなければなりませんでした。
葬儀代金の精算
私が勤めていた当時、葬儀代金は現金のみでした。お客様の前で、何百万円という現金を確認しながら精算することもありました。
高額なため、急いでいても金額を何度も確認しました。現在の支払い方法や精算手順は会社ごとに異なるため、応募先の業務内容を確認してください。
未経験で必要だった資格・パソコンスキル
特別な資格は必要なかった
私は葬祭関係の資格を持っていませんでした。搬送業務を担当する立場でもなかったため、仕事を始めるための特別な資格は必要ありませんでした。
ただし、求人によっては運転免許や経理資格などが求められる場合があります。応募条件は求人票で確認してください。
パソコンは入力作業が中心だった
高いパソコンスキルは必要ありませんでした。決まった項目への入力が中心で、一から書類を作ることもありましたが、簡単なものでした。
会社によって使うシステムや書類は違います。基本的な文字入力、数字入力、保存、印刷ができると覚えやすいと思います。
電話経験と言葉遣いが役立った
以前のホテル勤務や事務経験から、基本的な電話対応と言葉遣いは身についていました。そのため、電話そのものへの恐怖心はありませんでした。
それでも、新しい葬儀依頼の受付や搬送手配は別の緊張がありました。言われたことだけをするのではなく、自分から状況を見て臨機応変に対応し、確認を念入りにする必要があったからです。
葬儀会社の事務パートへ応募するため、履歴書や証明写真をまとめて準備したい方は、必要なものがそろったセットも比較できます。
葬儀会社の事務パートで大変だったこと
電話が鳴り続けても一人で対応した
事務所を一人で任されているときに電話が鳴り続けると、すべて自分で対応しなければなりません。
一件の電話を処理している間にも別の電話や来客が入り、発注や準備も止まります。用件と締切をメモし、今日の式、新しい葬儀依頼、急ぎの変更から優先しました。
式が重なると準備が間に合わず残業になった
式が重なった日は、返礼品の準備がぎりぎりになり、残業を余儀なくされることがありました。
私は午前9時から午後5時の勤務でしたが、必ず定時に帰れる仕事ではありませんでした。残業代は支給されましたが、予定どおりに帰りたい方は、残業の頻度を面接で確認したほうがよいと思います。
忙しいときほど普段しないミスが出た
電話、来客、発注、準備が重なると、普段はしないミスをすることがありました。
焦るほど確認を省きたくなりますが、忙しいときこそ復唱と再確認が必要です。特に名前、電話番号、日時、場所、数量、金額は、自分の記憶だけで判断しないようにしました。
ご遺族への言葉と態度に気を配った
一般の事務と違い、深い悲しみの中にいるご遺族へ接する仕事があります。
正しい敬語だけでなく、話す速さ、声の大きさ、表情にも気を配りました。急いでいるときでも、事務的で冷たい印象にならないよう注意しました。
事務へ移って収入と働き方はどう変わったか
式典スタッフの頃は、葬儀があるときだけ前日に出勤連絡が来る働き方でした。そのため、月によって勤務回数と収入に差がありました。
事務へ移ってからは、午前9時から午後5時、週3~4日のシフト勤務となり、収入は安定しました。急な延長や残業が発生した場合は、残業代も支給されました。
安定した勤務は大きなメリットでした。一方で、事務所を任される責任や、式が重なった日の残業は増えました。
会社や雇用契約によって条件は異なります。時給、残業代、葬儀がない日の勤務については、求人票と面接で確認してください。
葬儀会社の事務パートに向いている人
複数の仕事を同時に進められる人
電話を受けながら発注を確認し、来客へ対応し、当日の式の準備も進める場面があります。
一つずつ完璧に終えてから次へ進むより、複数の仕事の優先順位を変えながら動ける人に向いていると思います。
急な変更へ対応できる人
供花、返礼品、料理数などは、式の直前に変更されることがあります。予定が変わっても気持ちを切り替え、担当者や業者へすぐ連絡できる対応力が必要でした。
確認を面倒に思わない人
故人名、依頼者名、搬送場所、時間、数量、金額など、間違えてはいけない情報を扱います。
同じ内容を何度も確認することを面倒に思わず、曖昧な点を残さない人に向いています。
強い言葉や失敗から切り替えられる人
忙しい現場では、社員の言葉が強くなることもありました。失敗して注意されたときも、必要以上に引きずらず、次の確認方法へ変える強さが必要でした。
ただし、人格を否定する発言や嫌がらせまで我慢すべきという意味ではありません。つらい状態が続く場合は上司や勤務先の相談窓口へ相談してください。
葬儀会社の事務パートが負担になりやすい人
- 一つの仕事だけに集中して進めたい人
- 急な予定変更が強いストレスになる人
- 注意や忙しい場面での強い口調を長く引きずる人
- 必ず定時に帰りたい人
- 高額な現金や重要な個人情報を扱うことに強い不安がある人
これらに当てはまれば、必ず働けないという意味ではありません。事務員が複数いる、業務が分担されている、残業がないなど、職場の体制によって負担は大きく変わります。
葬儀会社の事務で感じたやりがい
新しい仕事を任せてもらえた
今までさせてもらえなかった仕事を任されたとき、自分の成長を感じました。
事務所を一人で任されたときは大変でしたが、「任せても大丈夫」と信頼してもらえたことがうれしかったです。
ご遺族からお礼を言ってもらえた
ご遺族からお礼の言葉をいただいたときは、裏方の事務も葬儀を支える大切な仕事だと感じました。
電話、発注、準備、精算の一つひとつは目立たなくても、式が滞りなく進むことにつながっています。
面接で確認してほしい3つの条件
研修の有無と一人勤務になるまでの期間
マニュアルだけで対応できない仕事が多いため、先輩について実践できる研修があるか確認します。
研修期間、一人勤務の有無、困ったときに誰へ連絡できるかも聞いておくと安心です。
勤務日数と葬儀がない日の扱い
求人票に週3日と書かれていても、葬儀がない日に勤務できるかは会社によって異なります。
最低勤務日数、シフトが決まる時期、葬儀がない日の仕事、急な残業の頻度を確認してください。
事務員が担当する仕事内容
電話と入力だけなのか、発注、搬送手配、事前相談、現金精算まで担当するのかで、責任と忙しさは大きく変わります。
「事務全般」という言葉だけで判断せず、具体的な業務範囲を聞くことが大切です。
未経験で応募したときの志望動機や面接で意識したことは、葬儀パートの志望動機|50代未経験で採用された例文と面接対策で紹介しています。
葬儀会社の事務パートに関するよくある質問
未経験・資格なしでも応募できますか?
私は葬儀業界未経験・資格なしで式典スタッフとして採用され、その後事務へ移りました。高いパソコンスキルも必要ありませんでした。
ただし、会社によっては運転免許、経理経験、Word・Excelなどの条件があります。求人票の応募資格を確認してください。
ご遺体を見ることはありますか?
葬儀会社や会館で働く以上、ご遺体を間近で見る可能性があります。私は式典スタッフとして現場へ入っていたため、実際に経験しました。
事務だけでも、勤務場所や業務範囲によって状況は異なります。抵抗がある場合は、面接で事務所と式場の位置、現場業務の有無を確認してください。
パソコンが得意でなくても働けますか?
私の職場では、入力作業が中心で、高いスキルは必要ありませんでした。簡単な書類を一から作ることもありました。
文字と数字の入力、保存、印刷ができると覚えやすいと思います。使用するシステムや研修内容は応募先へ確認してください。
必ず残業がありますか?
必ずではありませんが、私の職場では式が重なり、返礼品の準備が間に合わないときに残業がありました。残業代は支給されました。
残業の有無は、式の件数、人員、事務員の業務範囲で変わります。定時退勤が必要な方は、平均的な残業時間と急な延長への対応を確認してください。
参考にした現在の求人情報
現在の葬儀会社の事務求人にも、電話対応、受発注、データ入力などを未経験者へ任せる募集があります。ただし、専門的な問い合わせは社員が担当する求人もあり、業務範囲は会社によって異なります。
葬儀会館の受付事務として、未経験者向けの教育体制を示している募集もあります。
求人情報は掲載終了や条件変更になる場合があります。応募時点の情報を必ず確認してください。
まとめ
私は葬儀業界未経験から式典スタッフを経験し、その後、葬儀会社の事務パートへ移りました。
資格や高いパソコンスキルは必要ありませんでしたが、次の仕事を担当しました。
- 当日の式の予定確認
- 電話・来客対応
- 返礼品の準備
- 供花・供物や料理の受注・発注
- 新しい葬儀依頼の受付と搬送手配
- 在庫管理と発注
- 葬儀代金の精算
電話や来客が重なる忙しさ、高額な現金を扱う緊張、急な残業など大変な面もありました。それでも、任される仕事が増え、ご遺族からお礼をいただいたときには大きなやりがいを感じました。
未経験でも始められる可能性はありますが、同じ「葬儀事務」でも会社によって仕事の範囲が違います。研修、勤務日数、葬儀がない日の扱い、具体的な仕事内容を面接で確認してから判断してください。