「葬儀の式典パートは、失敗が許されない仕事なのでは?」
「未経験の自分に務まるのか不安……」
葬儀の仕事に興味があっても、ご遺族にとって大切な場に関わることを考えると、不安になりますよね。
私は50代で未経験から葬儀関係のパートを始めました。最初の頃は、確認不足で違う故人様の遺影写真を控室に飾ってしまったり、式の進行に合わせた案内ができず注意を受けたりしたことがあります。
この記事では、私が式典スタッフとして実際に経験した3つの失敗と、その後に気をつけるようになったことを紹介します。
仕事内容や式の進め方、スタッフの役割は、葬儀会社や式場、宗教・宗派によって異なります。この記事は私が勤務した職場での体験です。実際に働く際は、勤務先のルールや担当者の指示を優先してください。
結論:失敗したら慌てず報告し、確認方法を決める
葬儀パートで失敗を完全になくすことは簡単ではありません。私が大切だと学んだのは、間違いに気づいた後にオロオロせず、必要なことをすぐ報告し、同じ失敗を防ぐ確認方法を決めることです。
名前や遺影、式の進行、安全に関わることは、自分だけで判断せず担当者へ報告します。そのうえで、「名前を声に出さず目で確認する」「式全体の流れを見る」「案内の言葉と動きを練習する」など、次回から実行できる対策に変えました。
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag「葬祭ディレクター」でも、スタッフの言動が重要であり、予想外の出来事には素早い判断が必要だと紹介されています。パートの担当範囲は異なりますが、式の状況を見て確認する姿勢は共通して大切だと感じました。
葬儀パートで失敗・注意されたこと3つ
私が特に覚えているのは、次の3つです。
| 失敗・注意されたこと | 主な原因 | その後の対策 |
|---|---|---|
| 違う故人様の遺影写真を控室に飾った | 早とちりと名前の確認不足 | 名前を確認し、可能なら担当者にも見てもらう |
| 遅れて来た参列者を適切に案内できなかった | 決められた順番だけを考えた | 到着時刻と式の進行を見て判断する |
| 出棺時の案内が参列者へ届かなかった | 大勢の前で声を出す自信がなかった | 言葉・声量・手の動きを事前に確認する |
注意されたときは落ち込みました。しかし、原因を振り返り、確認方法を具体的に決めたことが、次の式で落ち着いて動くための助けになりました。
違う故人様の遺影写真を親族控室に飾ってしまった
式が重なった日に早とちりをした
式が重なっていた日のことです。
事務所には、出来上がった遺影写真が、故人様の名前が分かるように置かれていました。私は親族控室へ写真を飾るために持っていきましたが、早とちりをして、別の故人様の写真を飾ってしまいました。
幸い、ご当家の方々が控室へ入る前に自分で間違いに気づき、すぐに正しい写真と入れ替えることができました。もし気づくのが遅れていたらと思うと、今でもひやりとする出来事です。
置き場所ではなく故人様の名前を確認するようにした
この経験から、置いてある場所や見た目だけで判断せず、故人様の名前を確認してから控室へ持っていくようにしました。
式が重なっているときほど、「こちらだろう」と思い込まず、一度立ち止まることが大切です。担当者が近くにいる場合は、持っていく前に写真を見てもらい、間違いがないか確認しました。
急いでいるときこそ、数秒の確認を省かないことが、大きな間違いを防いでくれます。
遅れて来た参列者を式の流れに合わせて案内できなかった
受付を先に案内して注意を受けた
通夜で焼香が始まっているときに、遅れて来た参列者がいました。
私は決められた順番どおりに対応しなければならないと思い、まず受付へ案内しました。しかし、その場面では焼香に間に合うよう、先に式場へ案内する必要がありました。
通常の順番を守ることだけを考え、式の進行を見ながら臨機応変に対応できなかったため、注意を受けました。
到着した時間と式の進行を見て判断する
遅れて来た参列者への対応は、到着した時間や式の進み具合によって変わります。受付から案内できる場合もあれば、焼香のタイミングに合わせて先に式場へ案内する場合もあります。
また、焼香が始まるタイミングは宗派や式によって異なります。時計だけを見るのではなく、現在どこまで式が進んでいるかを確認しなければなりません。
これは私の勤務先での対応です。自分だけで判断できないときは、担当者やアシスタントへ短く確認してから案内します。以前と同じだろうと決めつけないことも大切です。
通夜と告別式の詳しい動きは、葬儀パートの一日の流れ|通夜・告別式で実際にした仕事を時系列で紹介にまとめています。
出棺時に参列者へ届く声で案内できなかった
自信のない小さな声では案内が届かなかった
告別式では、出棺前に着席している参列者を正面玄関まで案内します。
私は最初の頃、大勢の方に聞こえるように声を出すことができず、うまく誘導できませんでした。自信のない小さな声では、参列者もどこへ移動すればよいのか分かりません。
「もっと自信を持って案内しないと、お客様もどこへ行けばよいか分からない」と注意を受けました。
言葉・声量・手の動きを合わせた
出棺の際は、次のように声をかけていました。
まもなく出棺のお時間でございます。どうぞ正面玄関までお越しくださいませ。
声をかけるだけでなく、指をそろえ、手のひら全体で正面玄関の方向を示しながら誘導します。
葬儀の場では、大きな声を出すことにためらいを感じるかもしれません。しかし、騒がしくするのではなく、必要な方全員に内容が届くよう、ゆっくり、はっきりと伝えることが大切です。
式典で使ったほかの言葉は、葬儀パートの言葉遣い|ご遺族・参列者への声かけ例とNG表現で紹介しています。
失敗してもオロオロしないことが大切だと教わった
慌てた様子は周囲を不安にさせる
職場では、式中に少しおかしな動きをしてしまっても、内容によってはオロオロせず堂々としていれば、参列者には気づかれないこともあると教わりました。
自分が慌てた様子を見せると、周囲にも「何かあったのだろうか」と不安を与えてしまいます。まず落ち着き、現在の式の流れを確認して、次に必要な行動へ移ることが大切です。
落ち着くことと間違いを隠すことは違う
ただし、オロオロしないことは、間違いを隠すという意味ではありません。ご遺族への対応、故人様の名前や遺影、式の進行、安全に関わることなど、自分だけで判断できない問題は、すぐ担当者へ報告して指示を受けます。
| その場で担当者へ報告・確認すること | 落ち着いて修正すること |
|---|---|
| 故人様やご当家の名前・遺影に関する間違い | 自分の立ち位置や手の動きの小さなずれ |
| 式の進行やご遺族への対応に関わること | 次の動きに支障がない軽微な動作 |
| 安全・金銭・個人情報に関わること | 直した後で振り返り、再発防止を考えられること |
「慌てて余計な動きを増やさないこと」と「必要な報告をすぐにすること」の両方が大切だと学びました。
株式会社ティアの採用サイトの仕事内容でも、パートのセレモニースタッフは、担当責任者の指示のもとで設営、受付案内、焼香案内、清掃などを行うと紹介されています。求人名が同じでも業務範囲は会社によって違うため、判断に迷ったときの報告先を研修中に確認しておくと安心です。
同じ失敗を防ぐために気をつけたこと
名前を確認してから物を移動する
式が重なっていると、別のご当家の物が同じ事務所内に置かれていることがあります。遺影写真などを移動するときは、思い込みで判断せず、故人様の名前を確認します。
担当者が近くにいれば、自分だけで確認を終わらせず、見てもらうこともありました。
手順だけでなく式全体の流れを見る
受付、式場への案内、焼香など、基本の手順を覚えることは必要です。しかし、参列者が到着した時間や式の進行によって、案内する順番が変わる場合もあります。
自分の担当作業だけを見るのではなく、「今、式がどこまで進んでいるか」を意識するようにしました。
案内の言葉と動きを事前に確認する
文章を覚えていても、人前では思ったように声が出ないことがあります。
案内するときは、参列者全体に届く声量、話す速さ、手で示す方向を意識しました。必要であれば声に出して練習しておくと、本番への不安を減らせます。
注意されたことを自分用のノートにまとめる
私は、仕事中の走り書きを自宅で項目別に書き直し、自分専用のマニュアルのようなノートを作りました。注意されたことは、その日のうちに「次はどう確認するか」まで書いておくと、同じ場面の前に読み返せます。
小さくて持ち歩きやすいノートなら、案内の言葉、式の順番、注意点をすぐ記録できます。勤務先の個人情報や持ち出しのルールを守り、故人様やご遺族を特定できる内容は書かないようにしてください。
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私が仕事を覚えるためにノートを作った方法は、50代パートで仕事が覚えられない?20年ブランク後に私がしたことで詳しく紹介しています。
分からないときは担当者へ確認する
葬儀は、宗派や式の進行、ご当家の希望によって対応が変わります。以前と同じだろうと決めつけず、分からないことは担当者やアシスタントへ確認しました。
最初からすべてを自分で判断しようとせず、指示を聞きながら一つずつ覚えることが大切です。未経験からサブを任されるまでの流れは、葬儀パートの研修内容は?未経験からサブを任されるまでの実体験も参考にしてください。
葬儀パートの失敗に関するよくある質問
未経験でも葬儀パートで働けますか?
私は50代・未経験で採用され、先輩と一緒に式へ入りながら仕事を覚えました。資格試験や合格確認はなく、最初から一人で判断するのではなく、指示を受けて少しずつ担当が増えました。
ただし、研修期間や任される仕事は会社によって異なります。応募前に、研修の有無、独り立ちまでの目安、未経験者が最初に担当する仕事を確認してください。
注意されると落ち込みます。どう切り替えましたか?
注意を受けた直後は落ち込みました。それでも、「何がいけなかったか」だけで終わらせず、「次はどこを確認するか」をノートへ書くことで、行動に置き換えました。
強い口調が続く、質問できない、安全に関わる指示が曖昧など、働くこと自体に不安がある場合は、一人で抱え込まず責任者へ相談してください。仕事内容の大変さは、葬儀関係のパートをきついと感じた6つの理由でも紹介しています。
式の途中で対応が分からなくなったらどうしますか?
まず慌てず、担当者やアシスタントの位置と式の進行を確認します。すぐ判断が必要な場合でも、勝手に進めず、短く質問して指示を受けました。
誰に確認するのか、声をかけにくい式中はどう合図するのかを、研修のうちに聞いておくと安心です。
同じ失敗を繰り返さないために一番大切なことは?
「気をつける」だけで終わらせず、確認する対象とタイミングを具体的に決めることです。
私の場合、遺影を運ぶ前に名前を見る、遅れて来た方を案内する前に式の進行を見る、出棺案内の前に言葉と立ち位置を確認する、と行動を決めました。
まとめ|慌てず確認し、分からないときは相談する
私が葬儀の式典パートで経験した失敗や、注意を受けたことは次の3つです。
- 違う故人様の遺影写真を親族控室に飾ってしまった
- 遅れて来た参列者を、式の流れに合わせて案内できなかった
- 出棺時に、参列者へ届く声で案内できなかった
遺影写真の間違いは、ご当家が控室へ入る前に気づいて交換できました。その後は、早とちりをせず故人様の名前を確認し、可能なときは担当者にも見てもらうようにしました。
参列者の案内では、決められた順番だけでなく、到着した時間や焼香の進み具合、宗派による違いを見る必要があります。出棺時には、必要な方へ届く声で案内し、手でも方向を示すことが大切です。
少し動きを間違えたときも、オロオロすると周囲を不安にさせてしまいます。まず落ち着き、自分だけで判断できないことは、すぐ担当者へ報告しましょう。
未経験でも、注意されたことを次の確認行動に変えることで、少しずつ式の流れに合わせて動けるようになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。